3~4歳の小児。
このくらいのお子さんは、ご両親も手を焼く時期かもしれません。
一般に「イヤイヤ期」という時期でしょうか。
精神分析学者のフロイトによる心理性的発達理論でいう「肛門期」とか「男根期」とかいう時期です。
几帳面さも見え始め、それが頑固さにもなり、自分の世界を乱されるのを嫌います。
それゆえ、周りに対して自己主張が強くなり、攻撃性が見られる子もいます。
先日、身近にこの時期の男児がいました。
数日間一緒にいたので、しばらく観察していました。
食事中は食べたいもの以外は食べない。食べたいものはいつまででも食べ続ける。それを取り上げると大声を上げて、椅子の上でものけぞって落ちそうになる。
外出すると、移動は抱っこしないと歩かず、大泣き。
夜間は夜泣きや寝ぼけて興奮して大声を上げる。
昼夜問わず、両親は疲れている感じでした。
この男児は、ストレスを上手く発散できず、このような形として表に出ているのだと思います。
漢方では、肝にストレスを受けるとこのような状態が起こり得ると考えます。
肝は本来、のびのびと過ごすことで健やかにいられるのですが、ひとたびストレスがかかると、気血の流れが阻害され、イライラしたり、怒りやすかったり…といった精神症状が出てきます。
別れ際に私は、母親に肝を穏やかにする薬をアドバイスしました。
しばらくすると、「飲ませた日から夜中にぐっすり寝てくれるようになった」と連絡がありました。
そこまで即効性があるとは私自身もびっくりしましたが、これで本人も両親もQOLが向上したのではないかと思います。