以前、「血について・その1」で血が不足した場合を書きました。
今回は、その2として「血瘀証(けつおしょう)」です。
血は、気の推動作用によって全身を流れ、営養(全身に栄養を送る)、滋潤(全身を潤す)、精神安定の作用があります。
これが、打撲や骨折などの外的衝撃であったり、冷えであったり、気の推動作用の低下であったり、いろいろな原因によって、血の流れが滞ってしまうことがあります。
これを「血瘀証」と言います。
そして、その滞ってしまった血のことを「瘀血(おけつ)」と言います。
紛らわしいですね。
滞っているモノを瘀血と呼んで、それによって起こる症状を血瘀証と呼ぶんですね。
アザは、一番よく分かる瘀血です。
自然界で、液体は冷えると固体になります。
体内でも冷えると固まるとイメージすれば、冷えで瘀血が出来ることも分かります。
また、血自体は自力で動けないため、気が推し進めていますが、推してくれるモノがなければ進めず、瘀血ができます。
では、瘀血ができると何が起こるか。
つまり、血瘀証とはどんな症状が現れるか。患部(瘀血がある部分)が刺されるように痛い・絞られるように痛い、滞っている場所が固定的に痛い、拒按(触って欲しくない)、顔色が黒ずんでいる、唇が暗紫色、アザ(内出血)、皮膚の色素沈着・黒ずみ、舌質暗紅or青紫・瘀点、脈渋…
女性は月経痛(月経前~月経初期)、月経周期が遅れる、経血に血塊が混ざる、経血が暗紫色…
治療であれば、滞っているなら流してあげればいいということになります。
漢方薬は、疎経活血湯、桂枝茯苓丸、折衝飲、冠心II号方など症状に応じて使い分けます。