この時期、三寒四温などと言いまして、それを繰り返しているうちに少しずつ春に向かっていきます。
そうです、春です。
自然界では陽気が上がってくる時期。人間も自然界に連動して陽気が上がればいいのですが、なかなか上がらない方もいるようです。
自然界と人体の陽気の上がり方のそのギャップが、花粉症を起こしたり、疲れやすかったり、春季鬱とか五月病を起こしたりする…という理屈で考える場合もあります。
そんなときには補中益気湯!
などと申しまして、花粉症の予防や春の精神抑鬱症状に使用するとか。
疲労には通年的に使われることがありますが。
清陽不昇(せいようふしょう)と言って、体内で陽気が上がらない状態の時に持ち上げてくれるとのこと。
中に含まれる柴胡や升麻がその役割を果たすと。
なるほど、理屈は分かります。
そこで花粉症のワタクシは、試しに春前から補中益気湯の飲んで試したことがあります。
せっせと飲みましたが、残念ながら花粉症の症状は出てしまいました。
正直、毎年飛散量が変わる花粉ですので、補中益気湯を飲んで今のレベルの症状で済んでいるのか、そもそも飛散量の問題で今のレベルなのか、判断できませんでした。
そして、ハタと気づいたわけです。
補中益気湯は、もともと中国の戦乱激しい金元時代に、ひどい労役と食糧難により体調不良を起こした人たちのために、李東垣が作ったとされる方剤。最小限の食べ物から最大限のエネルギーを得るためと考えられます。
つまり、弱った脾胃(脾気虚)を立て直して、どうにか気血を創り出そうということです。
食べることも飲むことも好きなワタクシは、食べ過ぎて脾胃が疲れることがあったとしても、食べられないで弱っているということはなかったのです。
おそらくワタクシには、補中益気湯は合っていなかったということでしょう。
これは、花粉症予防だけではなく、精神抑鬱であっても、一般的によく使われるような疲労感であっても同じです。
食べられる人は、バランスの良い食事を適度な量食べて、よく寝る。
とりあえず薬は要らないです。
食べられずにこれらの症状がある方の中には、補中益気湯が合っているかもしれません。
だからといって、全員が補中益気湯ではありませんので、ご注意ください。