今年の2月に“ノムさん”こと野村克也監督が84歳で他界しました。
ちょうどワタクシが中学生くらいの頃、野村ID野球のヤクルトスワローズが黄金時代で、ご多分に漏れずヤクルトファンになったりして、野球部に入ってみたりもしたのです。(万年ベンチでしたが…)
社会人になると、ノムさんが現役時代~監督時代そして開設者として、多くの言葉を残していることを知りました。
”組織はリーダーの力量以上には伸びないちっぽけなプライドこそ、その選手の成長を妨げる”
自己を過大評価した瞬間から、思考の硬直が始まるなかなかうならされる言葉です。
そんな中、ノムさん死後に知った言葉があります。
”何事もスキルを身につけるには、「基礎」「基本」「応用」というステップを順に踏んでいくことが必要だ。「基礎」とは、仕事をするための土台となるもの。「基本」は、仕事における判断や行動の指針。それらをもとに実地に移すことが「応用」である。”
野球で言えば、「基礎」とは体力でしょうか。
ランニングや筋トレで野球ができうる体力を持たねばなりません。
「基本」は野球をする上でのルールやプレイの動き。
バットの構え方から振り方、投球フォーム、野手であればそれぞれの動きを知る必要があります。
1アウト、ランナー1塁だった場合は内野ゴロならゲッツー取る動きを知る。
その上で、「応用」とは実際の試合。いくら練習してきても実際は、練習通りにはいかないのですが、そこでどうプレイするかということです。
これは、漢方にも通ずると思います。
「基礎」は漢方の概念・理論を学ぶこと。
人間の身体を漢方ではどう考えているか(生理)を知ります。
「基本」はそこに異常が起こる場合(病理)に、どういうステップで考え(弁証)、どういう選択肢があるか(論治)。
そして方剤や薬物は何か。そして、「応用」は学んだ通りにはいかない実際の人体とどう向き合い、どう対応していくかになります。
基礎や基本に捕らわれすぎると、実際の人体が見えなくなりますが、基礎や基本を疎かにすると応用が利きません。
ここの行き来をし続ける毎日です。ノムさんいいこと言うなぁ。