“観測史上最も早い”と言われていた今年の梅雨明け…
しかし、9月1日、気象庁は関東甲信越の梅雨明けを速報値6月下旬から確定値7月下旬としました。
確かに、今年の夏の天気を振り返れば、猛烈に暑い日はあったものの、意外に曇りの日も多かったり、30℃を下回る日もあったりでしたよね。
天候不良の日は、体調も悪くなる人が少なくないです。
昨今よく聞かれる「気象病」というものです。
気圧とは
悪天候の日というのは、晴天の日に比べて、気圧が低いことが多いです。
気圧とは、空気の圧力です。
そのままです。
空気がモノを押しているのです。
簡単に言えば、この押す力が強ければ“高気圧”、弱ければ“低気圧”ということになります。
水圧も同じですね。
水に浸かった時、水は身体を押します。
深く潜れば潜るほど、自分の周りの水が増えるので、押す力も強くなります。
深海魚を水上に引き揚げると、深海で猛烈な圧力が押していた体内の空気が、押されなくなるので、一番柔らかい目玉の部分から逃げることで目ん玉ボーン!になります。
同じことが地上の空気でも起こっています。
ポテトチップスの袋などは、0mに近い地上では普通ですが、空気の薄い(気圧の低い)山の上に持っていくとパンパンに膨れます。
身体も空気に押されている
人間の身体も空気に押されています。
気象病は、この空気が押す力が弱まり不調が起こっていると考えています。
もともと押さえられてまっすぐ流れて行けていたものが、押さえる力が弱まれば流れが緩くなりやがて淀みとなります。
両脇が切り立っていてそこしか流れられない急流には淀みがなく、開けた川では淀みが生まれるわけです。
低気圧による不調
気圧によって筋肉内に押し込まれていた水分が、押す力が弱まれば、皮下にブワッと浮き出て、浮腫などが起こります。
気管支、肺などは外気と繋がっているので、気圧の変化を受けやすく、気圧によって管の内側から押されていたものが弱まり、同様に内側に浮き出してきて、気道が狭まり喘息などが起こります。
耳でも、押す力が弱まり、蝸牛内に水が浮き出て(内リンパ水腫)、めまい・頭痛・耳鳴などが起こります。
低気圧不調を回避
であれば、漢方を駆使して、押す力が弱まっても水が浮き出て停滞しないようにしてあげれば、症状は起こりづらくなるor起こっても軽くなるのではないかと思っています。
まずは、運動などでしっかり筋力をつけ筋肉内の水分保持量を維持できるようにする。また、運動により自然に水が流れていき、淀みが生まれづらくなります。
必要以上に水分を摂り過ぎないことや、しっかり睡眠をとることも当然必要です。
漢方では、部位や程度、その他の全身状態により苓桂朮甘湯、五苓散、沢瀉湯などをはじめとする方剤を服用すると、改善されます。
秋は台風の季節。
低気圧による体調不良を起こさぬようにしましょう。